もっと一生懸命働くことでお金持ちになろうとする近道を選んでも、
成功するのは難しいでしょう。 しかし、遠回りを選び、自分の時間の一部を慈善活動や布施、供養、道路や橋を造ることなどに使うなら、5年、あるいは10年後には、幸運に恵まれるようになるでしょう。

富(WEALTH)
ほとんどの人は裕福になりたいと思い、そのためにはもっと一生懸命働かなければならないと考えます。しかし、それは近道であり、実際にはなかなか目標を達成できません。世の中には、とても懸命に働き、いくつもの仕事を掛け持ちしているのに、豊かになれない人がたくさんいます。では、なぜでしょうか。――それは、福徳が足りないからです。
もし何らかの理由であなたが貧しいのであれば、愚かにも持てる力のすべてをお金を稼ぐことだけに注いではいけません。時間を二つに分けましょう。一つは生活のために働く時間、もう一つは善いカルマ(業)を積むための時間です。そして、およそ10年もすれば、あなたにも次第に幸運が巡ってくるようになります。
富は、その大部分が運によってもたらされ、努力が占める割合は小さいということを、心に留めておいてください。商売をする人々は、このことをよく理解しています。
例えば、誰かがあなたに「彼は本当にすごい人だ。ゴムの木の農園を作って、ゴムを高値で売り、あっという間にお金持ちになった」と言ったとしましょう。そのとき、彼の財産がゴム農園を作った努力だけによって生まれたのではないことを理解すべきです。なぜなら、同じことをした人は大勢いるのに、無一文になった人もたくさんいるからです。
彼らは同じような方法で事業を始めました。家や農地を担保にして銀行からお金を借り、土地を耕して農園を作りました。そして、ある人は裕福になり、ある人は無一文になりました。
ある人は低い金利でお金を借りることができ、さらに幸運にもゴムを高値で売ることができました。一方、ある人は高い金利でお金を借り、さらに不運にもゴムを安値で売ることになりました。銀行に返済するためのお金が足りなくなり、その結果、家や農地を失ってしまったのです。
私たちは、自分の事業に何が起こるのかを予測することはできません。例えば、不動産の仕事をしている人たちがお金持ちになっているのを見て、私たちも同じことをしてみたのに、失敗ばかりすることがあります。同じ方法でやっているのに、一人は成功し、もう一人は成功しません。
その秘密は、過去に積んだ福徳にあります。
ある人はこう言いました。
「私は貧しい。だから、もっともっと一生懸命働き、もっともっと長い時間働こう。」
しかし、その人に福徳がなければ、働けば働くほど、かえって貧しくなることさえあります。だからこそ、近道ではうまくいかないのです。
賢い人は、辛抱強く遠回りをします。つまり、布施をしたり、供養をしたりするなど、善い行いを実践します。そして5年、あるいは10年ほど経てば、幸運に恵まれるようになります。
覚えておいてください。カルマ(業)によって運命を変えるには、5年や10年という時間が必要であり、数か月で変わるものではありません。
人の中には、願ったことが実現する特別な福徳を持っている人もいます。仏陀はこれを「願いが成就する福徳」と呼びました。
この福徳を持つ人は、過去世において、他の人々が正しい願いを実現できるよう助け、それを何度も、何世代にもわたって行ってきたのです。
私たちにこの福徳がないのは、他の人々が正しい願いを実現するのを助けるために、十分なことをしてこなかったからです。
ここで一つの例を挙げましょう。
近所の子どもが通りかかるのを見て、あなたはその子を呼び止めて尋ねました。
「ここから学校まではどのくらいあるの?」
「ええと、10キロくらいです。」
「えっ!? どうやって学校へ行っているの?」
「歩いて行っています。自転車があればいいのにと思っています。」
「そう……。」
もしあなたがその子の願いを知っていて、自転車を買ってあげられるだけのお金もあるのに、何もしなかったなら、これから何度も生まれ変わる中で、自分が望むものを手に入れることは難しくなるでしょう。
ですから、たとえ小さなことであっても、それがするべきことであるなら、決して無視してはいけません。先ほどの子どもに自転車を買ってあげることは、その一例です。
その時にお金がないかもしれません。その場合は、子どもに自転車を買ってあげると約束してはいけません。十分なお金ができるまで待ち、その時になったら自転車を贈ってあげればよいのです。
人生から人生へと、善い行いを続けていくべきです。そしていつの日か、「自分が望むものを手に入れる」というカルマ(業)が成就するのです。
要するに、もっと一生懸命働くことでお金持ちになろうとする近道を選んでも、成功するのは難しいでしょう。
しかし、遠回りを選び、自分の時間の一部を慈善活動や布施、供養、道路や橋を造ることなどに使うなら、5年、あるいは10年後には、幸運に恵まれるようになるでしょう。
著者:
Janna
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