瞑想

瞑想実践指導

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瞑想公開日: 2026年7月12日
瞑想実践指導

瞑想実践指導

瞑想とは、心を一点に集中させる修行です。心を静けさと智慧へ導き、思考や感情に振り回されないようにするための実践です。とりわけ瞑想は、修行者が自己への執着と無明(無知)を滅し、やがて悟りへ至る助けとなります。

瞑想を指導する者は、修行の手順を正しく理解し、習得していなければなりません。そうすることで、新しい修行者を正しい道へ導き、誤った実践による悪影響を避けながら、良い成果を得られるよう助けることができます。

瞑想実践を支える三つの基本要素

瞑想を始め、良い成果を得るためには、まず三つの基盤を整える必要があります。それは 徳(道徳)・功徳・気功 です。

道徳とは、仏に礼拝し、すべての生命を慈しみ、常に謙虚な心を保つことによって心を清めることです。
功徳とは、人々に幸福と正しい道徳をもたらすために尽くす奉仕の実践です。

気功とは、身体の気を下方に安定させ、脳を落ち着かせて瞑想しやすい状態を整える修行です。
瞑想を始める前の準備
• 瞑想用の座布団を敷きます。座布団は座る部分より一回り大きいものが適しています。厚手の布、ござ、または薄いクッションでも構いません。地面からの湿気を防ぎ、快適に座ることができます。
• 衣服はきつすぎず、だらしなくないものを着用してください。本堂や厳かな場所では作務衣や法衣などを着るのが望ましいでしょう。
• 明るさは適度に保ち、明るすぎても暗すぎてもいけません。また、背中に風が直接当たらないようにしてください。静かな場所が瞑想には最も適しています。
• 毎日決まった時間に瞑想することが理想です。それが難しい場合は、時間のあるときに実践してください。ただし、満腹の状態では瞑想を避けましょう。
• 瞑想を実践していることを誇ったり、人から称賛を求めたりしてはいけません。そのような心は功徳を減らしてしまいます。集団での修行を除き、できるだけ人目につかない場所で静かに実践するのが望ましいでしょう。

A. 瞑想の方法

修行者は次の順序に従って瞑想を実践します。

1. 礼拝
自分の信仰する宗教の教えに従い、聖なる存在に対して深い敬意と真心をもって三拝礼を行います。

2. 結跏趺坐(けっかふざ)
左足を右腿の上に置き、その上から右足を左腿の上に乗せます。
両足は左右の腿の上に自然に乗せ、腰に近すぎず、遠すぎない位置に置きます。

3. 瞑想前の祈り
正しい姿勢で座り、合掌して次の祈りを唱えます。
(一人で実践する場合は静かに唱え、集団で実践する場合は皆で声を合わせて唱えます。)
聖なる御方よ、どうか私たちをお導きください。
常に心に刻みます。
身体は我ではない。
心も我ではない。
何ものも我ではない。
一息ごとに、
吸う息にも、吐く息にも、
聖なる御方へ限りない礼拝を捧げます。

4. 三つの善行を誓願する
祈りの後も合掌を保ち、心の中で次の誓願を立てます。
• 聖なる御方よ、歴代の祖師とすべての聖者を深い敬意をもって礼拝できますよう、お導きください。
• 聖なる御方よ、この世と目に見えない世界のすべての生命を愛することができますよう、お導きください。人々、森の動物、水中の魚、地獄の衆生、草木に至るまで、すべてを慈しむ心を育てさせてください。
• 聖なる御方よ、常に謙虚であり、自分を塵のように小さな存在と思えるよう、お導きください。
(出家者の場合はさらに誓願します。)
• 私は清浄な戒を守り続けることを誓います。
その後、身体を整える修行に入ります。

5. 身体を整える
a. 正しい姿勢
• 両手:左手を下、右手を上に重ね、両手のひらを上に向けます。左右の親指の先を軽く触れ合わせ、手は自然にまっすぐ保ち、反らせません。
• 目:目は軽く開き、顔の前方近くの一点を見つめます。修行の初期には目を閉じないでください。目を開けていることで、身体が揺れていないか、傾いていないかを確認できます。正しい正念と覚醒が身についた後は、目を閉じても意識を失うことはありません。
• 舌:舌先を上あご(上顎)に軽くつけます。
• 口:自然に閉じます。
• 背中:背筋を自然にまっすぐ保ちます。反らしすぎたり丸めたりしてはいけません。
• 肩:自然に力を抜き、左右の高さを揃えます。どちらか一方に傾けないようにします。
• 腕:肘を胴体から少し離し、脇に押し付けないようにします。
• 頭:頭を少し前に傾け、左右どちらにも傾けたり向けたりしないようにします。

b. 全身を意識する
常に全身に意識を向けます。
頭から足先までを順に感じ取り、背中が曲がっていないか、肩の高さが揃っているか、頭が傾いていないか、手の形が整っているか、腕が脇に押し付けられていないか、目線がずれていないか、身体が前後左右に傾いていないかを確認します。
全身を完全にリラックスさせ、どこかに不自然な緊張や姿勢の乱れがあれば、すぐに気づいて優しく修正します。

c. 身体を柔らかく静かに保つ
全身を意識し続けながら、身体全体の力を抜き、柔らかく静かな状態を保ちます。
身体のどこかが動いていないか、緊張していないか、そして全身が十分にリラックスして静止しているかを常に確認してください。筋肉、指先、足先、太ももに至るまで、すべてが穏やかに静止していることが大切です。
しばらく同じ姿勢で座っていると、筋肉は自然に緊張してきます。そのため、その緊張にすぐ気づき、ただちに力を抜くようにします。
このように繰り返し身体を確認し整えることが、「調身(身体を整える修行)」の実践なのです。
注意事項
全身を意識するときは、腹部と両脚にも自然に意識を向けてください。
それらの存在を穏やかに感じ取りますが、「感じよう」と意識的に力を入れたり、そこへ集中し過ぎたりしてはいけません。もし過度に意識を集中させると、気が頭部へ上昇し、心身に緊張が生じてしまいます。

一方で、全身への気づきが曖昧になってもいけません。全身を十分に意識できていないと、妄想や雑念が生じたときにそれに気づくことができず、無意識の状態へ陥りやすくなります。
雑念が現れたときは、それを無理に消そうとしてはいけません。ただ全身への気づきに戻り、身体の各部分を丁寧に確認してください。そうすれば、雑念は自然に静まっていきます。

もし全身への気づきに戻って身体を確認しても雑念が消えない場合は、それは自分の業(カルマ)によるものと理解してください。そのときは、自らの過ちを心から懺悔し、心が静まってから再び身体の観察へ戻ります。

6. 身体の無常を観ずる
しばらく身体を観察した後、心の中で
「この身体は無常である。」
と静かに念じます。

瞑想中、ときどきこの言葉を思い起こしてください。
若さから老いへ、老いから死へ、死から灰へと帰していく身体の変化を観想します。
釈尊は、身体の無常を観ずるときは、その無常を深く理解しなければならないと説かれました。
観想する対象は、自分自身の身体だけです。他人の身体ではありません。
自分の身体も、いつの日か灰へと帰ることを観じます。

死後三日ほどで遺体は膨張します。

十日ほど経つと腐敗が始まり、悪臭を放ち、蛆がわきます。
一か月ほどで細胞は分解され、その姿は見るに堪えないものとなり、人は近づくことすらためらうでしょう。

さらに十五日ほど経つと、腐敗が進み、遺体は乾燥していきます。
その後およそ一か月で骨だけとなります。

やがて骨も砕け、灰となり、風に吹かれて散っていきます。
(呼吸観に進む前に、この身体の無常観を数か月にわたり十分に修習してください。)

7. 呼吸を観ずる
身体を整える修行と身体の無常観を十分に身につけた後、呼吸観の実践へ進みます。
吸う息、吐く息をはっきりと知ります。
しかし、呼吸を操作したり、意図的に変えたりしてはいけません。
吸う息は、ただ「吸っている」と知ります。
吐く息は、ただ「吐いている」と知ります。
長い吸う息は、「長い吸う息」と知ります。
長い吐く息は、「長い吐く息」と知ります。
短い吸う息は、「短い吸う息」と知ります。
短い吐く息は、「短い吐く息」と知ります。
つまり、呼吸が長いか短いかをありのままに知ることです。
最も大切なのは、呼吸を自分の思いどおりに変えようとしたり、調整したりしないことです。
呼吸は、長いときもあれば短いときもあり、穏やかなときもあれば力強いときもあります。
そのありのままを知るだけでよく、決して介入してはいけません。
避けるべき極端は二つあります。
• 呼吸を十分に認識していないこと。
• 呼吸を認識しているが、それを操作してしまうこと。
呼吸観の中道とは、呼吸を自然のまま静かに見守ることです。
決してコントロールしたり、干渉したりしてはいけません。

8. 坐禅を終え、功徳を一切衆生へ回向する
瞑想を終えるときは、二つの祈りを唱えます。
(一人で行う場合は静かに唱え、道場などで大勢と行う場合は皆で声を合わせて唱えます。)
瞑想を終える祈り
三宝よ、
どうか私をお守りください。

目覚めているときも、
眠っているときも、
昼も夜も、

この身体が無常であることを
常に知ることができますように。

歩くときも、
立つときも、
座るときも、
横になるときも、
働くときも、
休むときも、

この身体が無常であることを
常に知ることができますように。

聞くときも、
話すときも、
一人でいるときも、
人々と共にいるときも、
読書するときも、
映画を見るときも、

この身体が無常であることを
常に知ることができますように。

食べるときも、
飲むときも、
入浴するときも、
身体を拭くときも、
衣服を着るときも、
脱ぐときも、

この身体が無常であることを
常に知ることができますように。

気づきが深まるほど、
無常への理解も深まりますように。
願わくは、
世界中のすべての衆生が、
自らの身体の無常を悟ることができますように。

功徳回向の祈り
願わくは、
あらゆる世界のすべての衆生が、
ともに修行に励み、
我執と無明を離れ、
ともに悟りを成就できますように。

その後、軽く身体をほぐします。
• 頭を上下にゆっくり五回動かします。
• 頭を左右へゆっくり五回回します。
• 肩を前回し五回、後ろ回し五回行います。
• 胸・腹・脇腹・背中を軽くさすります。
• 両脚を軽く伸ばし、やさしくもみほぐします。
• 最後にその場でしばらく静かに座り、身体を十分に休めます。
その後、歩行禅を行います。

9. 歩行禅
歩行禅を行うときも、坐禅中と同じように、心の静けさを保ちます。
• 常に全身を意識します。
• 身体の無常を観じ続けます。

Janna